トップアスリートと有名指導者が動画でトレーニングを解説する
CORD TRACK and FIELD CLUB
陸上競技関係者をWin-Winにつなぐコードの役割を果たす
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「もうキミは独りじゃない」
 陸上競技のトレーニングに1人打ち込む選手にとって、知りたいことは何だろうか。走幅跳の8mジャンパーは着地をどうやって伸ばしているのか。ハードルの代表選手はどんな感覚でインターバルを刻んでいるのか――。そうしたトップ選手の技術を、スマホがあれば知ることができる(※)。CORD TRACK & FIELD CLUBはそんなコンセプトで6月に活動を開始した。トップアスリートや元代表選手、実績十分の指導者たちがコーチとして、"解説付き"で練習メニューやドリルを動画で紹介してくれている。指導者のいない選手はもちろんのこと、課題をクリアできないでいる壁にぶつかっている選手にも、さらに研鑽を積みたい指導者にも、大きな味方となるサービスといえるだろう。

 コーチ陣には現在23名が加わっている(近い将来30名を超える予定)。その中から今回は110 mHの増野元太(メイスンワーク)、走幅跳の山川夏輝(東武トップツアーズ)、国武大の櫻井健一コーチを取材し、CORD TRACK & FIELD CLUBの活動への抱負、背景にある彼らの経験や思いを紹介する。
(※)タブレット、パソコンでも視聴可能


CORD TRACK & FIELD CLUBへのアクセス
LINE @cord-tfc
Instagram@cord_track_and_field_club
URL https://cordclub.official.ec/

CORD TRACK & FIELD CLUBの全体イメージ

世界陸上セミファイナリストの増野元太がコーチ陣に参画
「解説が付いている動画で、練習のポイントが明確にわかります」

自身もハードル専門の指導者不在時期があった増野
 CORD TRACK & FIELD CLUBのコーチ陣の1人、増野元太(メイスンワーク)は2017年のロンドン世界陸上110 mHで準決勝まで進出した。その年6月には13秒40と、当時の日本記録に0.01秒と迫った。そこまでのキャリアを見ても、函館有斗高2年時に日本ユース2位(110 mJH)、3年時にインターハイ優勝と、早くから実績を残してきた。
 その増野は、中学・高校ではハードル専門の指導者がいない環境で育った。
「高校の先生は選手時代に日本インカレ100 mに優勝した方で、基礎体力やスプリントはみっちり教えていただきました。それがハードルにもつながったのですが、種目練習の日は自分たちでメニューも考えてやっていたんです。YouTubeで110 mHのレースを見たり、専門誌のトレーニングページを読んだりして。北海道陸協の合宿にも行かせてもらったので、そこでハードルが専門の先生に教わったメニューもやっていました」
 特に参考にした動画は、2学年上の矢澤航(デサントTC。当時法大二高)のレースだった。矢澤は後に、16年リオ五輪代表となる選手だ。
「自分の課題だと感じていた部分を意識しながら見ていました。1〜2年のときはリード脚の上げ方や抜き脚のもって行き方など、技術的に真似をしていましたが、それだけではあまり前に進まなかった。2〜3年頃は踏み切りのときの腰の高さが重要だと感じて、自分の練習に取り入れました。どういうドリルをやればいいか、まではわかりませんでしたが、以前から行っていたメニューのなかで、腰の高さを意識して行うようにしたら踏み切りが変わってきたんです」
 国際武道大では、ハードルが専門の櫻井健一コーチの指導を受けるようになった。ハードルブロックの選手全員が行うメニューも、「今の自分のやりたいことに合ったメニューなのか」は、自身で判断していた。
「何カ月かはやってみて、自分に必要なのかどうかを考えるようにしていました。そのときはやらなかったメニューでも、数年経ってから『あれをやろう』と思いつくこともありましたね。自分の成長段階によっても、メニューの持つ意味が違うのだとわかってきました」
 それらの経験からCORD TRACK & FIELD CLUBの動画も、「見て、研究して、色々試してやってほしい」と言う。
「専門の指導者がいない選手はSNSやYouTubeでレースや練習の動画を見ると思うのですが、CORD TRACK & FIELD CLUBでは動画にコーチ陣の解説が付いています。練習の1つ1つのポイントとなるところが、明確にわかるのです。それを自分の中で理解するところに落とし込めば、すごい成長ができると思います」
 CORD TRACK & FIELD CLUBのコーチ陣にはハードルの選手、指導者が数人いるが「コーチによって、意識している部分が違うこともある。180cmの選手と185cmの選手では動きが変わってくる」という。つまり選手個々に、重要視するポイントが違うのは普通のことなのだ。増野のコメントにあるように、選手の成長段階によって理解できるものもあれば、その時点では理解できないものもある。だからこそ、コーチ陣が豊富で選択肢の多いCORD TRACK & FIELD CLUBの利用価値は高い。
現役復帰する増野、13秒32の東京五輪標準記録に照準
 増野自身の競技成績も注目される。
 ヒザの故障(鵞足炎)が長引き「夢が見られなくなった」と、18年シーズンいっぱいで一度引退した。競技から1年間離れていたが、講師として参加した昨夏の陸上教室で思ったより動けた自身に驚いた。メイスンワークの支援も受けられることになり、今シーズンから現役復帰する。
「競技を離れている間に、思いつくことがいくつもありました。ハードリングは踏み切りも抜き脚の動きも股関節の強さが重要です。なので、股関節を鍛える練習をするのですが、股関節ばかりやっていてもダメで、上半身なども含めて全身を鍛えることが重要だと気づきました。連動している全身を上手く使うことで、ケガのリスクも小さくできます」
 そして現役復帰のタイミングでCORD TRACK & FIELD CLUBに参加したことも、運命的だと感じている。ハードル種目は速く走ることも極めて重要な要素だが、増野は100 mが「10秒7前後」の走力で、その点が課題でもあった。
「短距離を速く走るために、僕も短距離の動画を見て勉強します。CORD TRACK & FIELD CLUBに参加してくれる皆さんと一緒に僕もレベルアップしたい」
 記録的な目標は東京五輪標準記録の13秒32だ。コロナ渦の影響で有効期間は今年の12月以降になるが、今シーズン中に少しでもその記録に近づき、できれば上回っておきたい。
 増野が競技を離れていた昨年、日本記録は13秒25に更新されたが、ケガがひどくなる前の増野は13秒2台も出せると感じていた。
「13秒2台、1台まで行かないと世界では戦えません。トレーニングなど、そこまで行く道筋は見えています」
 引退した選手が復帰したとき、その覚悟は生半可なものではない。復活劇ではなく、増野が新たな扉を開くシーンを見られるかもしれない。
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走幅跳8mジャンパーの山川夏輝が中高生目線で語りかける
「トップアスリートがどんな練習を、どんな意識でやっているかを発信していきたい」
高校、大学の指導者とも8mジャンパーから指導を受けた山川
 山川夏輝(東武トップツアーズ)は代表に近い位置にいるロングジャンパーだ。昨年8m台を追い風2.0m以内の公認条件で3試合、追い風参考記録も含めると5試合でマークした。8mジャンプは6回行うことができる試技の後半、それも6回目に跳ぶことが多い。修正能力が優れていることを示しているが、前半に8mを跳ぶことができれば8m20台も実現させられそうだ。
 その山川がCORD TRACK & FIELD CLUBのコーチ陣に加わり、積極的に動画をアップしている。視聴者に語りかける口調がフランクで、その理由を「堅苦しい雰囲気にしたくないからです」と説明する。6月26日にはインスタライブも行い、若い選手たちの質問に笑顔で答えていた。
「これまでも陸上教室をさせてもらう機会がありましたが、丁寧語や敬語を使って改まった雰囲気で話すより、中高生に近い話し方の方が内容を伝えやすいと感じています」
 言葉はフランクでも伝えていく内容は、トップアスリートが真剣にやってきたことそのものだ。洛南高の柴田博之先生(88年ソウル五輪代表。自己記録8m04)、日大の森長正樹コーチ(96年アトランタ五輪&00年シドニー五輪代表。自己記録8m25)と、出身校の指導者はともに8mジャンパーだった。
 洛南高はインターハイの、日大はインカレの優勝校でもある。そこで学んできたメニューをそのまま行っている練習もあれば、山川がアレンジを加えて行っている練習もある。
「トップアスリートがどんな練習を、どんな意識でやっているか。そういったことを理解できるように発信していきたいです」
CORD TRACK and FIELD CLUBの仲間同士で切磋琢磨するのが理想
 この山川だけでなく、同じ8mジャンパーの小田大樹(ヤマダ電機)もCORD TRACK & FIELD CLUBのコーチ陣に加わった。彼らの発信するトレーニングの情報は多様性があり、同時に深さもある。
 多様性は、山川と小田は同じ日大出身だが、タイプが全く異なる点から生じている。
「高校の頃は他のやり方があるとは考えませんでしたが、日大に進み小田とチームメイトになったら、助走の走り方も踏み切り技術も大きく違いました。ちょっと真似してみようか、という対象が身近にいてくれたのです。皆さんも小田の(発信する情報の)良いところ、僕の良いところを感じ取ってもらえたらうれしいです」
 深さは、洛南高と日大でトレーニングを積んだ経験をもとに、外部で学んだことも加味して、山川独自の練習にアレンジしたことで生じている。
 例えば助走の走り方だが、山川は洛南高で行っていたミニハードルを使ったマーク走で接地の仕方、地面の押し方など技術を固めてきた。同じマーク走を、陸連合宿で一緒になった津波響樹(大塚製薬。自己記録8m23)も行っていた。津波は東洋大出身で、山川と洛南高で同級生だった100 mの前日本記録保持者、桐生祥秀(日本生命)の後輩だった。
「津波と2人でどういう意識でマーク走をやっているのか意見を出し合って、それが今の、一歩一歩力強く走る僕の助走になりました」
 日大は森長コーチなど豪華な指導陣を学内に用意しているが、選手には自分に合った指導者を選べるようにしている。外国にも積極的に武者修行に行かせていて、山川も大学2年時から毎年のように米国ヒューストンへ練習に行っている。カール・ルイス氏(走幅跳五輪4連勝。100 m元世界記録保持者)や、ルイス氏の恩師のトム・テレツ氏の指導を受けているのだ。
「ヒューストンの指導にはマニュアルのようなものがあって、ある程度は型にはめ込んできます。跳躍角度など、数字で示されることも多いです。それに対して森長先生は、数字も言いますけど、感覚的な表現で選手の特徴に合わせて指導をしてくれます」
 そうして山川が体得してきたトレーニング方法を、CORD TRACK & FIELD CLUBではわかりやすく動画にする。中高生目線を心がけるのは、競技場で実際に会ったときやライブ配信などで、話しやすい雰囲気を作るためだ。
「動画を見てくれて僕のファンが増えたらうれしいですし、ファン同士がお互いに、自分もCORD TRACK & FIELD CLUBの一員だからと話をして、切磋琢磨するチームの輪ができたらさらにうれしいですね」
 もちろん山川自身が、彼らの先頭に立って世界に挑んでいくつもりだ。柴田先生の記録は3年前に8m06を跳んで上回った。次は「森長先生の8m25をしっかり超えたい」と、目標を設定している。
 東京五輪の標準記録は8m22。恩師の記録を超えることで、世界への道を切り拓いて行く。
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ハードルのエキスパート、櫻井コーチも新たなシステムに意欲
CORD TRACK and FIELD CLUBを創設した池淵氏の陸上競技への情熱
「技術を細分化して動画にしていく」と桜井コーチ
 CORD TRACK & FIELD CLUBには実績ある指導者も参加している。そのうちの1人、櫻井健一コーチは自身も99年の世界陸上セビリア大会に出場した元代表選手で、2007年からは母校の国際武道大陸上部でコーチを務めてきた。17年世界陸上代表になった増野元太(メイスンワーク)のほか、札塲大輝(ヤマダ電機)ら日本・関東両インカレの優勝者を4人(優勝回数は7回)も指導している。
 櫻井コーチはCORD TRACK & FIELD CLUBへの参加にあたり、「一番は陸上競技の普及ですね」と、その存在意義を感じている。
「動画を見てひらめきを感じられれば、自分も同じ動きができるかもしれない、とモチベーションになります。動画の選手を身近に感じられ、応援する気持ちにもなるでしょう。陸上競技に興味を持ってもっと見るようにもなる。そうしたきっかけになると思います」
 SNSなどを通じて動画をすぐに入手できる、今の時代に合ったシステムだと直感したという。
 自身の動画では「技術を細分化して出していきたい」と計画している。
「この技術をしたいときはこういう練習が有効だよ、と1つ1つ丁寧に紹介していきたいと思っています。個々の技術がつながっていることは、それはまた別の動画で紹介していく。細かく区切って紹介していくことが、CORD TRACK & FIELD CLUBでは有効だと思います。難しく考えないで、どんどん挑戦してくれたらうれしいですね。自分が現役時代にあったらよかったな、と思います」
 国際武道大から次々にハードルの好選手が現れるのは、櫻井コーチの技術指導に加え、ハードルブロック全体が向上心を持ったチームとして機能しているからだ。選手同士が仲が良いことのメリットは山川夏輝コーチも強調しているが、国際武道大でも同じことがいえる。
 技術は櫻井コーチが丁寧に説明し、練習の目的を選手たちが理解している。選手同士、選手と指導者のコミュニケーションがしっかりできるので、増野元太コーチらOBを含めて情報共有がなされ、技術やトレーニングの話をするときに正確に意思疎通ができる。
 そうしたチームには指導者に頼るのでなく、選手が自ら学ぶ意識が生まれやすくなる。
「選手が理解して、自分で考えてプラスアルファの練習を行っていますよ。指導には色々な方法があり、ケースバイケースなのですが、選手の学ぶ姿勢を伸ばそうとする指導者が増えています」
 CORD TRACK & FIELD CLUBでのオンラインでの指導でも、同じ雰囲気を作っていきたいと櫻井コーチは考えている。陸上競技の新たな育成システムが実現されようとしているのだ。
「中学生・高校生に色々な引き出しを持たせてあげたい」と池淵氏
 CORD TRACK & FIELD CLUBを立ち上げた池淵智彦氏(株式会社MINT TOKYO代表取締役)の狙いもそこにある。池淵氏自身も中学から大学まで走幅跳選手で、7m30台の記録を持つ。
「中学のときに指導者不在の時期もあって、自分だけで悩んだ経験がありますし、走幅跳はこうやって跳ぶのだとわかったのは、大学の最後の方でした。中学・高校の段階でもっと色々な練習や、技術の深いところを学んでいたらもう少し良い結果を残せたと思います。中学生・高校生に色々な引き出しを持たせてあげたいですね」
陸上界を活性化させたいと語る池淵氏
 CORD TRACK & FIELD CLUBの動画を見る選手たちが学ぶ意識を持てるように、さまざまな工夫を凝らしていくつもりだ。コーチ陣を充実させていくのはもちろんのこと、動画をインターハイ出場経験のあるスタッフがスローにしたり字幕を付けたりして編集し、中高生が理解しやすくしている。クラブ会員のリクエストでテーマ設定をして動画を配信することや、双方向のトークイベントなどで疑問に答えていくことも計画中だ。「CORD」にはアスリートと中高生をつなげる「コード」となる意味が込められている。
 結果的にクラブ会員が増えれば、コーチ陣へのフィードバックも大きくできる。日本のトップ選手でも活動基盤が安定せずに苦しんでいる現状を見て、その問題解決の一助になれればと感じていた。中高生への情報提供とトップ選手の価値を高めること。その双方ができるシステムとして、CORD TRACK & FIELD CLUBを運営していく決意だ。
「トレーニングの動画配信だけでなく、ファンサービスのライブ配信や、リアルイベントの陸上教室、トークショーなども計画しています。ファンとの接点を増やし、アスリートの価値を高めて、アスリートの経験や知識を若い選手に還元していく。それらのコードになりたいと思っています」
 陸上競技に関わる人たちをWin−winの関係でつなぎ、陸上界を活性化する。そんな期待が持てるクラブが誕生した。
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